ネット上の掲示板や知恵袋、SNSの相談ポストで後を絶たないのが、「平日に会社を休めないため、親や友人に頼んだら住民票を受け取れなかった」「即日手に入ると聞いていたのに郵送になると言われ、提出期限に間に合わない」という悲鳴です。
ここには行政手続きにおける決定的なハードルが存在します。それは、住民票マイナンバー記載代理人を立てる場合、同一世帯の家族か、別世帯の代理人かによって運用のルールが180度異なるという点です。
住民票上の「同一世帯員」であれば、委任状なしで窓口へ行き、マイナンバー記載の住民票をその場で直接受け取ることが可能です。しかし、たとえ実の親子や兄弟姉妹であっても、住民票の世帯を分けている(世帯分離している、あるいは別住所に暮らしている)場合は法的に「任意代理人」の扱いとなります。
別世帯の代理人が住民票マイナンバー記載委任状を持参して窓口で申請した場合、自治体の窓口職員は絶対にその場で住民票を代理人へ手渡しません。個人番号の漏洩防止を定めた総務省通達に基づき、交付書類は「本人の住民登録地宛て」に、簡易書留や特定記録などの「転送不要郵便」で直接郵送される運用が義務付けられているためです。
つまり、別世帯の代理人を通じた住民票マイナンバー即日発行は物理的に不可能です。窓口で代理人が手続きを終えても、手元に書類が届くまでには最短でも2日〜4日程度のタイムラグが生じます。「今日の夕方までに会社へ出さなければならない」といった緊急事態において代理人を立てる選択は、完全に裏目に出てしまう罠と言えます。