在日ファンクの音楽性を語る上で、最大のマスターピースといえるのが2011年にリリースされたシングル『爆弾こわい』です。イントロから叩きつけられるスネアの鋭利なアタック、完璧にコントロールされた16分音符のカッティングギター、うねるベースライン。そのサウンドは、1970年前後のJames Brown & The J.B.'sが遺した至高のファンククラシックそのものです。
しかし、そこで歌われる歌詞の意味は、愛や平和、あるいは享楽的なパーティー賛歌ではありません。徹底的に描かれるのは、「爆弾が落ちてきたらどうしよう」「痛いのは嫌だ、死にたくない」という、人間の剥き出しの恐怖と矮小なエゴイズムです。当時、東日本大震災直後の不穏な空気感とも奇妙に共振したこの楽曲は、高尚なメッセージを振りかざすのではなく、誰しもが腹の底で抱えている「かっこ悪い本音」を最高峰のファンクに乗せて叫ぶという、バンドのシグネチャースタイルを決定づけました。
リスナーの支持とストリーミング再生数、ライブでの熱狂度をもとにした在日ファンク 人気曲ランキングの上位曲を見ても、その一貫した作家性が際立ちます。
- 第1位:『爆弾こわい』―― 問答無用の代表曲。JBばりのシャウトと小心者の叫びのコントラストが神がかった一曲。
- 第2位:『きず』―― メロウなファンクバラードでありながら、人間関係のちっぽけなトラウマを生々しくグルーヴに昇華。
- 第3位:『京都』―― 緻密なホーンアンサンブルと畳みかけるリズム隊の応酬が凄まじい初期の名作。
- 第4位:『根にもってます』―― 粘りつくようなスローファンクに乗せて、過去の恨み言をネチネチと吐露する唯一無二のキラーチューン。
- 第5位:『おかんむり』―― 理不尽な怒りや日常の苛立ちを、洗練された都会的ファンクポップへと転化させた円熟期の快作。