近藤真彦さんが芸能界の表舞台に躍り出たきっかけは、1979年に放送されたTBS系ドラマ『3年B組金八先生』第1シリーズでした。星野清役を演じた近藤さんは、飾らないやんちゃな少年像をリアルに体現し、瞬く間にティーン層の心を掴みます。このドラマで共演した田原俊彦さん、野村義男さんとともに結成されたのが「たのきんトリオ」です。
当時の芸能界において、グループではなく個々のソロ活動をベースにしながらユニットとしても絶大なシナジーを発揮するスタイルは極めて画期的でした。映画『青春グラフィティ スニーカーぶる〜す』をはじめとする主演映画シリーズはいずれも大ヒットを記録。映画館の周辺には徹夜組のファンが長蛇の列を作り、上映中にはスクリーンに向かって歓声や紙テープが飛び交うなど、まさに社会現象と呼ぶにふさわしい熱狂が日本列島を包み込みました。
「マッチ」という愛称は、近藤さんのニックネームとして定着し、少年らしさと不良っぽさを併せ持った独特のキャラクター性が確立されました。甘いマスクの正統派アイドルだった田原俊彦さん、卓越したギターテクニックと親しみやすさを持つ野村義男さん、そして野性味あふれる近藤真彦さんという絶妙なトライアングルが、1980年代前半の男性アイドルシーンを完全に牽引したのです。