1990年代半ば、日本のスポーツバラエティ界を牽引していたフジテレビ。その最前線で圧倒的な人気を誇っていたのが中井美穂さんだった。単なる原稿読みにとどまらない軽妙なトークと親しみやすさで、瞬く間に局の看板へと登りつめた。一方、グラウンドで鋭い眼光を放っていたのが東京ヤクルトスワローズの司令塔・古田敦也氏だ。接点のないように見えた二人を結びつけたのは、スポーツ取材の現場だった。
当時の芸能スクープ・ドキュメンタリー番組は、二人の極秘交際をこぞって追いかけた。トップアスリートと人気アナウンサーの交際は、当時のメディア環境においては厳重な警戒を要するものだった。過熱する報道陣のマークをくぐり抜け、静かに育まれた愛。1995年に開かれた結婚会見で見せた二人の晴れやかな表情は、昭和から平成へと続くスポーツメディア黄金期の象徴的な一幕として、今も語り継がれている。