キャリアの頂点にあった1996年、彼女は突如として芸能活動の休止を発表しました。ファンやメディア関係者を大きく騒然とさせた中条加奈子の引退理由、その直接の契機となったのが、プロ野球・広島東洋カープの主力選手であった緒方孝市氏との結婚です。
当時、緒方氏は走攻守三拍子揃ったスター選手としてリーグを牽引しており、遠征や厳しいトレーニングに追われる日々を送っていました。2人の馴れ初めは番組共演や共通の知人を介した食事会と報じられていますが、交際が深まるにつれ、彼女は「プロアスリートの妻として生きる以上、中途半端な兼業は夫の選手生命に影響を及ぼす」という強い覚悟を固めたと、当時の取材記録や後の自著で述懐されています。
23歳という若さでの早期引退劇に対しては、当時「事務所との契約トラブルではないか」「不祥事による隠蔽ではないか」といった根拠のない噂の真相が週刊誌等で囁かれたこともありました。しかし、実態は極めてシンプルかつ純粋なものでした。広島へ完全移住し、夫が過酷なシーズンを戦い抜くための栄養管理や生活環境づくりに専念するという、自発的で迷いのないライフステージの選択だったのです。