楽水園の敷地は決して広大ではありませんが、歩みを進めるごとに視界が変化する「池泉回遊式」の手法が凝縮されています。限られた敷地を奥行き深く見せる植栽配置や巨石の据え方には、職人の確かな技術が光ります。
園内でも特筆すべき見どころが水琴窟(すいきんくつ)です。地中に埋め込まれた瓶の中に水滴が滴り落ちる際、空洞内で反響する澄んだ金属音のような響きを竹筒越しに楽しめます。都会の真ん中で耳を澄ます静寂のひとときは、日常のストレスをリセットするマインドフルネスな体験をもたらします。
また、博多独特の歴史を伝える「博多塀(はかたべい)」も見逃せません。豊臣秀吉による太閤町割り(博多復興)の際、戦火で焼け残った瓦や石を土と共に塗り固めて築かれた土塀を再現したもので、風化した瓦の断面が織りなす幾何学模様が風情を醸し出します。
四季の移ろいも鮮やかです。新緑の青もみじ、初夏の水辺の涼感、冬の凛とした空気感も見事ですが、格別の人気を誇るのが秋の紅葉です。例年の紅葉の見頃は11月中旬から12月上旬にかけて。池の周囲を彩るモミジが水面に映り込む「逆さ紅葉」は、福岡市内有数のフォトスポットとして多くのカメラマンや観光客を魅了しています。