傷口にウジ虫?絶望の症状と命を救う「マゴットセラピー」最前線

傷口にウジ虫?絶望の症状と命を救う「マゴットセラピー」最前線

傷口にウジ虫?絶望の症状と命を救う「マゴットセラピー」最前線について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

怪我をした皮膚を適切に処理せず放置したり、自己流の不十分な手当てで組織を湿潤させたまま密閉を怠ったりした場合、野外のハエは目ざとくタンパク質の分解臭を感知する。わずか数秒から数十秒の隙に、ハエは傷口の湿った壊死組織へ無数の卵を産み付ける。気温と湿度が合致すれば、十数時間後には孵化が始まり、皮膚の傷口に無数の幼虫が蠢く事態へと発展する。

この病態は医学的に「蠅蛆症(マイアシス)」と呼ばれる。重度の血流障害を抱える高齢者や、進行した糖尿病性足部潰瘍を患う患者において発生リスクが急増する傾向にある。特に末梢神経障害によって足の感覚が麻痺していると、傷口にハエが群がり幼虫が蠢いていても本人が気づかない症例すら存在する。世界保健機関(WHO)の報告でも、公衆衛生の死角や都市部の孤立した在宅介護現場において、衛生管理の崩壊が引き起こす深刻なリスクとして注意喚起が続けられている。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。