日曜日になると、原宿歩行者天国は独特の熱気に包まれた。原色の奇抜な衣裳に身を包んだ若者たちがグループごとに輪を作り、ラジカセのビートに合わせて独創的なダンスを踊り明かす。その流行の発信地こそが、若者文化の聖地として君臨したブティック竹の子だった。個性を爆発させたい全国の若者が、最新のアイテムを求めて店へとなだれ込んだ。
沖田浩之はその喧騒の中で異彩を放っていた。洗練されたルックスとキレのあるダンスステップ、そして周囲を一瞬で魅了する圧倒的な存在感。竹の子族の象徴として彼が路上でステップを踏むたび、周囲を埋め尽くしたギャラリーから悲鳴のような歓声が上がった。ストリートという無名の路上ステージで磨かれた度胸とオーラは、やがてスカウトマンの目に留まり、次なる巨大な波を生み出すことになる。