「自分はまだ何も諦めていない。乗る馬がいる限り、勝つことだけに飢えている」
パドックで見せる陽気な笑顔の裏側に潜む、研ぎ澄まされた勝負師の刃。近年の騎乗数や勝利数という数字の表層だけを見れば、一時期の圧倒的な天下に比べ落ち着いた推移に見えるかもしれない。しかし、レース内容を克明に追えば、勝負どころでの思い切った進路取りや馬の推進力を極限まで引き出す剛腕ぶりは健在だ。
現在、彼はエージェント体制の見直しや若手有力馬への積極的なコンタクトなど、明確な新戦略を打ち出している。栗東トレーニングセンターでの調教騎乗数を大幅に増やし、厩舎スタッフとの対話をこれまで以上に深めているのだ。泥臭い下積みに立ち返るようなストイックな姿勢は、周囲の調教師や馬主関係者の信頼を再び強固なものへと変えつつある。