駅の構内や公道から回収箱が一斉に去った最大のきっかけは、治安維持政策の転換だ。国際的な大型イベントや要人来日時に実施された警戒態勢の強化、そして不審物仕掛け防止を目的としたテロ対策が決定打となった。爆発物などを仕掛けられるリスクを未然に防ぐ予防措置として、公道や駅構内からの撤去が進められた経緯がある。
鉄道事業者にとっても安全確保は最優先課題だ。圧倒的な利用客数を誇る東日本旅客鉄道株式会社をはじめとする鉄道各社は、不審物警戒のコスト抑制と安全確保の観点から、改札内やホーム上にあった容器の撤去・封鎖を順次進めてきた。中身が見える透明な袋を使った防犯型容器への置き換えも試みられたが、維持管理の負荷や安全上の懸念から、最終的に撤去を選択するケースが相次いだのだ。