炭酸ガスレーザーの跡が消えない?赤み・色素沈着の真相と対処法

炭酸ガスレーザーの跡が消えない?赤み・色素沈着の真相と対処法

炭酸ガスレーザーの跡が消えない?赤み・色素沈着の真相と対処法についての真相をご紹介します。

炭酸ガスレーザーの施術を受けた直後から数ヶ月の間、「傷跡がまったく消えない」と感じる主な原因は、皮膚組織が創傷を修復するメカニズムにあります。炭酸ガスレーザーは水分に反応する波長10,600nmの光を用い、病変部を一瞬で蒸散させて削り取る治療です。皮膚に意図的な熱損傷と欠損部を作るため、治癒の過程で血管拡張やメラニンの過剰生成が必ず発生します。

日本形成外科学会および美容皮膚科領域の創傷治癒理論に基づくと、皮膚の回復過程には明確な段階があります。施術直後から2週間程度は上皮化(新しい表皮が張る期間)が進み、その後は毛細血管が増生して赤みがピークを迎えます。続いて発生するのが炎症後色素沈着(PIH: Post-Inflammatory Hyperpigmentation)と呼ばれる茶色い変色です。これらは決して「失敗による傷」ではなく、生体が患部を保護・再生しようとする正常な防御反応の一環です。

「失敗されたのではないか」と疑ってしまう最大の要因は、事前のカウンセリングで説明される「ダウンタイムは約1〜2週間」という言葉の受け取り方にあります。この1〜2週間とは「皮膚の穴がふさがりメイクが可能になる期間(上皮化)」を指しており、「赤みや色素沈着が完全に消失して周囲の素肌となじむ期間」ではありません。本来の皮膚色が戻るには、細胞のターンオーバーを複数回繰り返すだけの物理的な時間が必要不可欠です。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。