バサロ泳法の真実と15M制限の謎!鈴木大地の快挙から最新技術まで

バサロ泳法の真実と15M制限の謎!鈴木大地の快挙から最新技術まで

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バサロ泳法のルーツは、1970年代後半にアメリカの男子競泳選手ジェシー・バサロ(Jesse Vassallo)が個人メドレーの背泳ぎパートのスタートやターン局面で使い始めたことに遡ります。当時、背泳ぎのキックは水面近くで打つバタ足(オルタネイト・キック)が絶対的な基本でした。しかし、ジェシー・バサロは仰向けの姿勢のまま、両足を揃えてうねるように打つ潜水キックを取り入れ、その特異な推進力が世界のコーチ陣の注目を集めました。彼の名をとって「バサロキック」「バサロ泳法」と呼ばれるようになったのです。

この技術を徹底的に磨き上げ、極限の武器へと昇華させたのが日本の鈴木大地選手でした。順天堂大学時代、指導にあたった小見山達夫コーチとともにバサロのスピード効率に着目し、過酷な低酸素トレーニングと強靭な下半身の強化を敢行。1988年9月24日、ソウル五輪男子100メートル背泳ぎ決勝において、鈴木選手はスタート直後から水深約1メートルを潜水したまま21回ものバサロキックを繰り出し、約30メートルを潜水した状態で浮上しました。

ライバルのデビッド・バーコフ選手(米国)も約33メートル潜水する「バーコフ・ブラストオフ」を展開し、水中での一騎打ちとなりましたが、鈴木選手は水面に出てからの泳ぎでも粘り強さを発揮し、55秒05の日本新記録(当時)で金メダルを獲得しました。当時の特番インタビューや自著・手記において鈴木選手は「肺が張り裂けそうな限界の中で、壁とラインの感覚だけを頼りにキックを打ち続けた」と述懐しており、まさに肉体と戦術の極限が生んだ歴史的勝利でした。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。