心臓は通常、右心房にある「洞結節」からの微弱な電気信号が規則正しく伝わることで拍動しています。しかし、発作性上室性頻拍の患者さんの心臓には、生まれつき余分な電気の通り道(副伝導路)や、電気信号がループしてしまう回路が存在しています。
何らかのきっかけで余分な回路に電気が入り込むと、信号が猛スピードでぐるぐると旋回(リエントリー)し続け、心室へ異常な高頻度で収縮指令を出し続けます。これが頻拍発作の正体です。
主な原因疾患には以下のタイプがあります。
1. 房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT):
心房と心室のつなぎ目である房室結節の中に「速い伝導路」と「遅い伝導路」の2系統が存在し、その間で電気が空回りするタイプ。PSVTの中で最も多く見られます。
2. 房室リエントリー性頻拍(AVRT)/WPW症候群:
心房と心室の間に「ケント束」と呼ばれる生まれつきの余分な電線が存在する疾患です。普段の心電図でもデルタ波という特徴的な波形が見られるものを「WPW症候群」と呼び、若い世代や小児の発作原因としても知られています。
発作を誘発するトリガーとしては、「過度のストレス」「睡眠不足」「疲労」「カフェインやアルコールの過剰摂取」「喫煙」などが挙げられます。お辞儀をしたり重いものを持ち上げたりした拍子に発作のスイッチが入ることも珍しくありません。