外食チェーンがしのぎを削るカフェ市場において、tsumugiカフェ人気の理由はどこにあるのでしょうか。商業施設のテナント動向や利用者の購買心理を調査すると、競合カフェチェーンにはない独自のポジショニングが浮かび上がってきます。
第1の理由は、「本格的な日本茶体験の日常化」です。和カフェTsumugiでは、大阪で安政元年に創業した「袋布向春園本店(たとうこうしゅんえんほんてん)」の日本茶を導入しています。急須で提供されるお茶は、自らお湯を注ぎ足しながら二煎目、三煎目まで味わえる設計となっており、単なる「喉を潤すドリンク」ではなく、時間と香りを嗜む体験価値を提供しています。
第2の理由は、「和モダンを基調とした居心地の空間設計」です。藍色や木目を巧みに配したインテリアは、スターバックスなどのシアトル系カフェのような緊張感や作業感とは一線を画しています。店内の照明設計はやや落ち着いたトーンに抑えられ、都市の喧騒から隔絶された「静寂な居場所」としての機能を担っています。
第3の理由は、「食事とデザートのどちらを主目的にしても成立するメニュー構成」です。軽食中心の喫茶店やデザート特化の甘味処とは異なり、しっかりとした食事を摂りたい昼時も、午後の優雅なカフェタイムにも対応できる柔軟性が、利用頻度を押し上げる原動力となっています。