イラガの被害は、単なる植物の食害にとどまりません。人間に対する直接的な刺傷被害こそが最大の問題です。家庭菜園コミュニティや知恵袋、SNS上には、毎年夏から秋にかけて悲痛な被害体験が数多く投稿されています。
「秋口に柿の実を収穫しようと脚立に乗って手を伸ばした瞬間、腕の内側に電撃のような痛みが走り、思わず転落しそうになった」(50代男性・住宅街の自宅庭)
「庭のシンボルツリーであるモミジが夏場に見る見るスカスカになり、下を見ると黒い小さなフンがびっしり落ちていた。見上げたら葉の裏に黄緑色のトゲトゲした虫が数十匹群がっており、鳥肌が止まらなかった」(40代女性・戸建て住宅)
造園業者への取材によると、特にサルスベリやモミジの木陰で子どもやペットが遊んでいる最中の被害が目立ちます。サルスベリは幹肌が滑らかで登りやすいため、幼虫が木全体に拡散しやすく、枝から落ちてきた幼虫首筋に触れて激痛でパニックに陥るケースもあります。イラガ幼虫は危険を感じると、肉質突起にある毒棘(どくきょく)から一斉に毒液を分泌します。このトゲは衣服の繊維を容易に通り抜けるため、「長袖を着ていたのに刺された」という証言が後を絶ちません。