完結巻である第11巻は、連載当時の読者コミュニティ(2ちゃんねる・Twitter・読書メーター等)に凄まじい反響を巻き起こしました。それまで「思春期の毒と狂気」に魅了されていた読者の中には、主人公たちがごく普通の社会人になり、家庭を持つ結末に対して「丸くなった」「日和ったのではないか」という戸惑いの声も一部で見られました。
しかし、最終話およびエピローグとして描かれた仲村佐和の幼少期を描いた特別編によって、作品の評価は決定的なものとなりました。仲村がなぜあれほどまでに世界を憎み、他者を「クソ虫」と見下していたのか――その背景には、何もない地方都市の閉塞感の中で、自分と同じ言葉を話す存在を見つけられず、孤独に窒息しかけていた一人の少女の悲鳴がありました。
海辺で再会した際、仲村が春日に見せた穏やかな微笑みは、彼女自身もまた「春日という唯一無二の理解者に出会い、全身全霊でぶつかり合った」ことで、内なる怪物を鎮めることができた証拠でした。ネット上の読者レビューでも、「10代のころに読んだ絶望と、大人になって読み返したときの救済の深さがまるで違う」「これ以上ない完璧な着地」といった再評価が圧倒的多数を占めています。