ペーパー自体のボリュームに加え、現代の住宅設備が抱える構造的な変化が問題をさらに深刻化させています。それが「節水型トイレの普及」です。2000年代以前の標準的な便器では、1回の洗浄に約10リットル〜13リットルの水道水を使用していました。これだけの水量と水圧があれば、多少厚手のペーパーであっても力技で下水管まで押し流すことが可能でした。
しかし、近年の環境配慮・水道代削減トレンドにより、TOTOの「ネオレスト」シリーズをはじめとする最新便器は、大洗浄でもわずか3.8リットル〜4.8リットル、小洗浄に至っては3.0リットル前後という超少水量で流す設計が主流です。ここに節水型トイレつまり原因の本質が潜んでいます。少ない水で効率よく汚物を吸い出す「サイホンゼット式」や「トルネード洗浄」は計算し尽くされた水力バランスで成り立っており、規定以上の体積を持つ紙が投入されると、便器奥の細い水路(トラップ)で瞬時に滞留してしまいます。
現場の配管工やリフォームエンジニアの取材でも、「TOTO節水トイレとコストコペーパーの相性には特に注意を促している」という声が目立ちます。特に戸建て住宅の2階や3階に設置されたトイレ、排水管の勾配が緩やかな集合住宅では、便器から便槽までの横引き管が長くなるため、水量が足りずに途中でペーパーが沈殿・堆積するケースが頻発しています。