当事者の生の声が集まるSNSや知恵袋、取材現場での聞き取り調査を精査すると、多くの人が抱える思いにはある共通項が浮かび上がってきます。それは、「積極的に命を絶ちたい」というよりも「ただこの耐えがたい状況から抜け出したい」「明日を迎えるのが怖い」という受動的な消えたい理由です。
「朝起きて会社に行く想像をするだけで吐き気がする」「誰にも迷惑をかけずに自分の存在をリセットしたい」といった告白は、周囲の期待に応えようと限界まで我慢を重ねてきた真面目な人ほど多く吐露しています。外部からの刺激を遮断できず、感情を押し殺し続けた結果、心が麻痺して「消滅」しか解決策が見えなくなってしまうのです。
特に危険なトリガーとなるのが急に死にたくなる夜の魔力です。日中は仕事や家事で気が張っているため感情を抑え込めていても、夜間に一人になると交感神経の緊張が急激に解け、溜め込まれた自律神経の乱れストレスが一気に噴き出します。さらに深夜はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が低下し、感情の防波堤が最も脆弱になる時間帯です。暗闇と静寂が反芻思考(同じ苦しみをぐるぐると考え続けること)を呼び、絶望感を何倍にも増幅させてしまいます。