都内でも特に生息密度が高いエリアとして知られるのが、目黒区、大田区、世田谷区といった城南地域です。かつて東京工業大学の大岡山キャンパス構内にある大木群には、日没時になると1,000羽を超えるワカケホンセイインコが集結し、空一面が緑色の群れで埋め尽くされる光景がメディアでも大きく報じられました。
彼らは昼間は数羽から数十羽の小グループに分かれて採餌行動を取り、夕方になると安全な「集団ねぐら」へと帰還します。この集団化に伴い、ねぐら周辺では強烈な鳴き声による騒音被害や、歩道・車両を汚す大量の糞害が発生し、近隣住民との間で深刻な摩擦を生んでいます。
また、生態系への悪影響も懸念されています。ワカケホンセイインコは木の幹にできた穴(樹洞)を巣として利用するため、日本在来のキツツキ類(コゲラやアオゲラ)やシジュウカラ、ムクドリなどの営巣場所を奪ってしまうケースが多発しています。さらに、農郊部へ行動圏を広げた群れによる果樹や穀物の食害も報告されており、生態系と農業被害の両面から外来種としての管理方針が問われています。