検察事務官は、国家公務員としての絶対的な安定性と、実力次第で司法官へとステップアップできる特異な昇格チャンスを兼ね備えた魅力的な職業です。しかし、組織社会学や労働心理学の観点から現場構造を分析すると、向き・不向きが極端に分かれる職種であることは明白です。
検察庁という組織は、検察官を頂点とする極めて厳格な階級社会・縦社会です。取調べ室の中では検察官の意図を瞬時に察知し、的確に調書を取りまとめ、被疑者が不穏な動きを見せないよう神経を研ぎ澄ます必要があります。凄惨な事件現場の証拠や犯罪者の暗部に直面しても動じない「心理的バウンダリー(精神的境界線)」を保てない人物は、どれほど筆記試験の成績が良くても長続きしません。
キャリア選択で後悔しないための判断基準は以下の通りです。
【向いている人の条件】
- 刑事司法の現場で社会の正義を実現したいという確固たる使命感がある人
- 自分と他者の感情を切り離し、凄惨な事実に対しても客観的・事務的に対応できるタフな精神力を持つ人
- 厳格な上下関係や指示命令系統を苦にせず、細部までミスのない緻密な書類作成が得意な人
- 司法試験を受験していないが、現場での実績を積み上げて「副検事」として年収1,000万円を目指す野心がある人
【おすすめできない(避けるべき)人の条件】
- 「公務員だから定時で帰れてノルマもなく、平和な事務作業ができる」と考えている人
- 他人の不幸や凄惨な犯罪事実、暴力的な言動に強いショックを受け、私生活まで引きずってしまう人
- 個人の裁量で自由に仕事を差配したい人や、理不尽な命令系統に強い反発を覚える人
- 大都市圏ではなく、地域手当のつかない地方検察庁の本部・支部で高年収を期待している人