街で見かける一般的な低価格フリースとポーラテックフリースの違いを最も端的に表すなら、「熱を閉じ込める力」と「余分な湿度を外に逃す機能」の共存レベルにあります。市販の安価なポリエステル製フリースは、均一な化学繊維を機械的に起毛させてふんわりとした手触りを作っているものが大半です。着用した瞬間こそ暖かく感じられるものの、少し歩いて体が温まると衣服内に熱気と湿気がこもり、じっとりと汗冷えを起こす原因になります。
これに対し、ポーラテック社(旧モールデンミルズ社)が誇る独自技術は、編み立ての密度と繊維断面のコントロールにあります。細かく均一な中空ポリエステルマイクロファイバーを特殊な特許技術で高密度に編み上げ、内部に無数のデッドエア(動かない空気の層)を抱え込ませます。空気を極限まで抱え込むため、わずか数百グラムという驚異的な軽さでありながらダウンジャケットに匹敵する断熱性を発揮する構造です。
さらに決定的な差を生むのが毛細管現象を利用した透湿性です。内側の起毛面が肌やベースレイヤーから出た水蒸気を瞬時に吸い上げ、外側の広い表面積へ拡散して気化させます。このサイクルが連続して働くため、激しく動いても衣服内がサウナ状態にならず、常にドライで適正な体温が維持されます。アウトドアの過酷な環境において「汗冷え=低体温症の引き金」となる現場では、この蒸れにくさこそが生死を分ける絶対条件なのです。