父親の服装で最も頻発する失敗が、「ビジネススーツ」と「礼服(略礼装としてのブラックスーツ)」の混同です。「式典なのだからフォーマルな服を」と考え、クローゼットから冠婚葬祭用の深い黒(漆黒)のスーツを引っ張り出してくる方が散見されます。
しかし、昼間の慶事における父親の立ち位置は、あくまで「一般参列者」です。真っ黒な礼服を着ていくと、周囲から「PTA会長か学校の来賓」「葬儀の帰り」「警備関係者」のように見えてしまい、かえって浮いてしまう原因になります。大学入学式で父親が着用すべきは、上質なウール素材のダークネイビー(濃紺)またはチャコールグレーのビジネススーツです。身体のサイズにジャストフィットし、清潔にプレスされたスーツこそが、最も知的で引き締まった父親像を演出します。
スーツの印象を決定づけるネクタイ選びにも細心の配慮が必要です。結婚式で使われるような「光沢の強すぎる白ネクタイ」や、お祝いの席には不適切な「黒ネクタイ」は論外です。爽やかな印象を与えるサックスブルー、華やかさと品格を両立するシャンパンゴールド、落ち着きのあるシルバーグレー、あるいは若々しい淡いピンクやボルドーが適しています。柄は無地(ソリッド)や細かな小紋柄、品の良いレジメンタルストライプが無難です。