子どものお弁当作りにおいて、幼稚園児と小学生では直面する課題が質的に異なります。育児情報誌の調査や保護者座談会での生の声、ネット掲示板に寄せられた実際の失敗手記から、各ステージにおけるリアルな現場事情を検証します。
都内の私立幼稚園に長男を通わせる30代の母親は、入園当初の苦い経験を次のように手記で振り返っています。「彩りを考えて可愛いピックにミニトマトを刺し、フリルレタスで仕切りを作って持たせました。しかし帰宅後、先生から『開けた瞬間にレタスから出た水分で全体が滑ってひっくり返り、本人がパニックになって泣いてしまった』と聞かされ、胸が痛みました」。
子供のお弁当の詰め方 幼稚園編において極めて重要なのは、「手指の未発達さ」と「道具の扱いやすさ」への配慮です。幼児期の子どもは、おかずを箸で切り分けることができません。噛みちぎる力も弱いため、一口で口の中に入らないサイズの肉や野菜は、それだけで食べるのを諦める原因になります。また、園によっては誤飲事故防止の観点から「ピックの使用禁止」を明確にルール化しているケースも増えています。幼児のお弁当では、ピックに頼るのではなく、海苔で巻いて一口大にしたミニおにぎりや、小さめのシリコンカップに収めたミートボールなど、スプーンやフォークで上から直接刺して崩れずに口へ運べる形状が鉄則です。
一方、小学生のお弁当の詰め方と人気レシピにおいては、求められる要素が「食べるスピード」「満腹感」「耐久性」へとシフトします。遠足や運動会、放課後児童クラブ(学童保育)での昼食では、リュックサックを激しく揺らして移動するため、幼稚園以上に強固な詰め方が要求されます。男子児童を中心に人気が高いのは、照り焼きチキンや豚の生姜焼き、唐揚げといった、冷めても脂が固まらず味のしっかりした肉料理です。小学生になると、ご飯の上に海苔やふりかけを敷き詰めた「のり弁スタイル」や、おかずをご飯の上にダイレクトに乗せる「どんぶり弁当スタイル」が、崩れにくく素早くかき込める手法として子どもたちからも絶大な支持を集めています。