「DASH島に行ってみたい」「船をチャーターして近づくことはできるのか」という旅行者やファンの声は少なくありません。しかし、現場の海運関係者や松山市の観光窓口への取材によると、一般人の由利島への上陸・立ち入りは例外なく認められていません。
DASH島への行き方やアクセス手段が厳重に制限されている背景には、単なる「テレビの撮影都合」にとどまらない、人命や権利に関わる3つの決定的な理由が存在します。
1. 所有権と民法上の「私有地・専用管理地」であること
由利島は公有地(国有地・県有地)ではなく、地元の法人および個人が所有する完全な私有地です。日本テレビ(番組制作会社)は所有者との間で独占的な長期土地使用契約を結んでロケ地として管理しています。所有者の許可なく上陸した場合、刑法130条の「建造物等侵入罪」や民法上の不法占拠に問われる法的リスクがあります。
2. 定期航路の完全不在と極めて危険な浅瀬・岩礁帯
由利島には本土(松山港・三津浜港)や中島からの定期フェリー・旅客船は1隻も就航していません。かつて存在した船着き場の桟橋は数十年前に崩落しており、現在も安全に接岸できる公的港湾設備は皆無です。島の沿岸は暗礁(隠れ根)が多く、小型船であっても座礁や転覆の恐れがある危険水域に指定されています。
3. 老朽化した廃墟の倒壊リスクと野生生物の危険
島内に残る昭和時代の木造家屋や石垣、坑道跡は半世紀以上風雨に晒され、崩壊寸前の状態です。また、マムシやスズメバチ、イノシシなどの野生生物が生息しており、通信インフラや医療体制が整っていない現場に素人が立ち入ることは命に関わる重大事故に直結します。
松山市沖の海上タクシー業者や漁船関係者も「番組側との取り決めや海上保安部の指導があり、観光客を由利島へ渡船・上陸させる依頼はすべて断っている」と証言しています。洋上から島を遠望するクルージング程度であれば航行自由の原則に従い違法ではありませんが、接岸や上陸は厳禁です。