安全性に関しても、両者には重大な違いが存在します。結論から言えば、「イモリにはフグと同じ猛毒があり、ヤモリには毒が一切ない」というのが科学的事実です。
アカハライモリが持つ「テトロドトキシン」の性質と注意点
アカハライモリの鮮やかな赤と黒のまだら模様のお腹は、捕食者に対して「自分を食べると危険だ」と警告する警戒色(アポセマティズム)です。イモリの皮膚分泌物には、フグ毒として知られる神経毒「テトロドトキシン」が含まれています。
人間が手で触れただけで直ちに皮膚から毒が吸収されて命に関わるようなことは基本的にありません。しかし、イモリを素手で触った手のままで目をこすったり、傷口に触れたり、指を口に入れたりすると、激しい炎症や局所麻痺、嘔吐などを引き起こす危険性があります。野外採取や水槽掃除でイモリに触れた後は、必ず石鹸で入念に手を洗うことが鉄則です。また、犬や猫などのペットが誤ってイモリを丸呑みしてしまうと中毒死するリスクがあるため、家庭内での飼育管理には厳格な注意が求められます。
ヤモリは完全に無毒!家を守る「益虫ハンター」の素顔
一方で、ニホンヤモリは体内にも皮膚にも毒を一切持っていません。威嚇時に口を大きく開けて噛みついてくることがありますが、歯は非常に小さく、大人の指であれば出血すら稀なレベルです(万が一傷ができた場合は雑菌感染予防のために消毒を行ってください)。
ヤモリは夜間に窓の灯りに集まるガ、ハエ、蚊、ゴキブリの幼虫などを大量に捕食してくれるため、人間にとっては衛生環境を保ってくれる極めて有益な「益獣」です。