歴史上の有名人や著名人のなかにも、マルファン症候群であったと噂される人物が複数存在します。代表例がアメリカ合衆国第16代大統領のエイブラハム・リンカーンです。身長193cmという当時としては並外れた高身長、手足が長く痩せた体躯、特徴的な顔立ちから、後世の医師や研究者によって同症候群の可能性が議論されてきました。ただし、確実な遺伝子解析が行われたわけではなく、あくまで骨格的特徴に基づく推測の域を出ません。
また、超絶技巧で知られるイタリアのヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニも関節の異常な柔軟性からマルファン症候群が疑われた一人です。日本国内でも戦国武将の津軽為信など長身痩躯の伝承を持つ人物の名が挙がることがあります。しかし、単に「背が高い」「指が長い」というだけで病気と結びつけることはできません。現代医学では、外見の印象論ではなく客観的な医学的スコアリングによって厳格に判別されます。