第7部のアニメ化実現にあたって、業界内およびファンの間で長年議論されてきたのが「馬の作画問題」です。アニメーション制作を手掛けるdavid production 制作状況を精査すると、本作の映像化がこれまでのシリーズと根本的に異なるハードルを抱えていることが分かります。
日本のアニメーション業界において、「走る馬」の作画はトップクラスのアニメーターであっても膨大な工数を要する超難関分野です。『STEEL BALL RUN』は北米大陸横断レースを描く長編冒険譚であり、全編にわたって数十頭もの馬が激しく疾走し、その背上でスタンド能力や回転の鉄球が交錯します。手描き作画のみでこれを全話数成立させることは物理的に不可能であり、最新鋭の3DCGセルルック技術と手描き作画の完全ハイブリッド体制を構築することが不可欠です。
david productionはこれまで『炎炎ノ消防隊』や『うる星やつら』など複数ラインの高品質作品を並行制作しながら、自社内のCGスタジオ部門の表現力を飛躍的に向上させてきました。関係者の証言や業界動向を総合すると、7部制作に向けたテストレンダリングや馬の骨格リギング(3Dモデルの骨組み設定)には過去最大規模のプリプロダクション期間が投じられていると見られ、この技術的ブレイクスルーこそが制作発表の時期を慎重に見極めている最大の理由といえます。