縮毛矯正とヘアカラーの複合施術で起きるトラブルを正しく理解するには、毛髪内部で何が起きているかという化学的メカニズムを知る必要があります。
日本毛髪科学協会の学術資料および業界の検証データによると、健康な毛髪のpHは弱酸性(pH4.5〜5.5)に保たれています。縮毛矯正の1剤は、毛髪内部のシスチン結合(S-S結合)を切断するためにアルカリ剤を用いてキューティクルを無理やり開き、還元剤を深部まで浸透させます。この状態でさらにアルカリ性のヘアカラーを重ねると、毛髪は限界を超えて過膨潤(極度にふやけた状態)に陥ります。
過膨潤した無防備な毛髪に対して、水分が残ったまま180℃前後のストレートアイロンを当てると、毛髪内部の水分が爆発的に気化する「水蒸気爆発」が発生します。これにより、毛髪の主成分であるケラチンタンパク質が不可逆的な硬化・炭化を起こす「熱変性」が生じ、キューティクルが破壊され尽くした結果として修復不可能なビビリ毛が誕生してしまうのです。
一方、縮毛矯正の後に生じる縮毛矯正 カラー 色落ち 原因については、酸化染料の定着プロセスが深く関わっています。ヘアカラーは毛髪内部で酸化重合して大きな分子になることで発色・定着しますが、縮毛矯正の直後は毛髪内部の架橋が完全に安定しておらず、キューティクルもデリケートな状態です。この不安定な時期にアルカリや過酸化水素を再び投入すると、内部の間充物質(マトリックス)が大量に流出し、色素を留めておくポケットそのものが崩壊して早期の色落ちを引き起こします。