網浜直子の女優としての原点を語る上で欠かせないのが、1985年に放送された大映テレビ制作のドラマ『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)です。主演・杉浦幸が演じる優等生・小沢裕美が夜になると凶悪な不良少女・大沼ユミへと変貌するサスペンスドラマの中で、網浜直子はユミと対峙する不良グループ「野獣会」の主要メンバー・阿部純子役を熱演しました。
大映ドラマ特有の過剰なセリフ回しと緊迫感あふれる演出の中で、彼女が見せた鋭い眼光とシャープな身のこなしは、視聴者に鮮烈なインパクトを与えました。当時のテレビ情報誌のインタビューで本人が「現場では毎日怒号が飛び交い、台本を握りしめて必死に食らいついていた」と振り返っている通り、極限状態の現場で鍛え上げられた度胸が、画面越しに圧倒的なリアリティとして伝わったのです。
続いて1986年には、TBS系の青春ドラマ『夏・体験物語2』に出演。思春期の女子高生たちの性や友情を赤裸々に描いた同作で、藤井一子や志村香らとともにメインキャストを務めました。前年に放送された『毎度おさわがせしますII』への出演も含め、彼女は80年代半ばの思春期ドラマにおいて「少し背伸びをした、芯の強いボーイッシュな女子」という独自のポジションを完全に手中に収めました。