旅行者やホテル愛好家の間で「一度は泊まるべき」と称される最大の理由は、その驚異的な宿泊価格にあります。東京や京都のリッツ・カールトンが1泊1室15万〜25万円前後、隣国シンガポールでも10万円前後が相場となるなか、クアラルンプールでは1泊1室あたり約2万8,000円〜3万5,000円(約850〜1,100リンギット)前後から予約可能です。1室あたりの料金設定であるため、2名で宿泊すれば1人あたり1万円台半ばで名門ホテルのホスピタリティを享受できます。
なぜこれほどの価格差が生まれるのか。その背景には、マレーシア特有の構造的要因が存在します。第1に、クアラルンプール市内はフォーシーズンズ、セントレジス、バンヤンツリー、マンダリン オリエンタルなどの世界屈指の5つ星ホテルが狭いエリアに密集する「世界有数の高級ホテル激戦区」であること。第2に、マレーシアの物価水準と人件費が東南アジア主要国の中でも比較的安定している点です。さらに、現地有力コングロマリット「YTLグループ」がオーナー企業として堅固な運営基盤を築いていることも、安定した価格維持に寄与しています。
さらに注目すべきはスイートルームの価格設定です。「エグゼクティブスイート(約73㎡)」でも1泊5万円台〜、「2ベッドルーム・レジデンシャル・スイート」でも7万〜8万円台から予約できるケースがあり、ファミリーやグループ旅行でのコストパフォーマンスは他の追随を許しません。