この博物館を語る上で絶対に外せない発明が、全店舗に導入されている「ミニラーメン」の存在だ。通常の半分強のサイズで提供されるこのシステムこそが、訪れる者を無謀なハシゴの旅へと駆り立てる。
一杯目に選ぶのは、北海の寒風を思わせる濃厚な味噌スープか。それとも、極細ストレート麺が豚骨の白濁スープを絡め取る九州の骨太な味か。あるいは、東北の澄んだ水と煮干しが織りなす、滋味深い醤油の一杯か。わずか数十歩の路地を移動するだけで、日本列島を縦断する味覚の旅が成立してしまう。
腹八分目で終わらせる理性を、隣の店から漂う油の爆ぜる音が容赦なく狂わせる。気がつけば2杯、3杯と丼を重ねてしまうのは、人間の抗えない本能のようなものだ。