ひと口に「大学教授になった芸能人」といっても、その職位によって大学側との契約形態、求められる責任、そして報酬体系は全く異なる。一般に報道される「教授就任」のニュースの多くは、正規雇用である専任教授ではなく、非常勤枠の「客員教授」や「特命教授」「特別招聘教授」であることが大半だ。
なぜ大学院を出ていない芸能人が教授になれるのか。その法的根拠は学校教育法および大学設置基準(第14条〜第16条)にある。そこには、修士・博士の学位や学術論文の実績を持つ者に加え、「専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有し、研究指導上の能力があると認められる者」も教授の資格を満たすと明記されている。芸能活動を通じて培った表現力、メディア運営、プロデュース能力、芸術的知見は、まさにこの「優れた実務経験」に該当する。
それぞれの職位における待遇と実態の違いを客観的に比較したのが以下のデータである。
表から明らかなように、「客員教授」という肩書が付いたからといって、高額な報酬が支払われているわけではない。むしろ、芸能事務所側にとっても直接的な金銭的メリットは少なく、「文化人としてのステータス向上」「社会的信用の獲得」という長期的なブランディング効果を見込んで引き受けている側面が強い。