客観的な数字の奥にある「現場の肌感覚」に迫るため、主戦騎手や調教スタッフ、ライバル陣営が当時の特番インタビューや手記で語った肉声に耳を傾けると、数字以上の凄みが浮かび上がります。
ディープインパクト 成績の裏側について、主戦を務めた武豊騎手は「走っているというより、飛んでいる感じ」という伝説的な言葉を残しました。後方待機から大外を一気に捲り、他馬が止まって見えるほどの加速力を見せる姿は、戦術やペース配分を超越した異次元の領域でした。レース後の検量室でライバル騎手たちが「あれを捕まえるのは物理的に不可能」と語り合ったという証言は、同馬の支配力を如実に示しています。
対照的に、イクイノックスに騎乗したクリストフ・ルメール騎手は「ポニーのように扱いやすく、直線ではジェットエンジンのように加速する」と評しました。イクイノックスの最大の強みは、気性の素直さと自在性、そしてロスのない効率的なフォームにありました。日本ダービー 歴代最強の議論において、ディープインパクトの豪快な差し脚が語り継がれる一方で、イクイノックスの完成された走りは「サラブレッドという種の究極進化形」として現場関係者を唸らせています。
また、オルフェーヴル 凱旋門賞における逸話も外せません。2012年の凱旋門賞で直線先頭に立ちながら内ラチへ激しく斜行したシーンは、常識外れのスタミナと類まれな荒々しさを世界に見せつけました。元関係者が「まともに走れば世界中どこへ行っても負けないが、自分自身との戦いが最大の敵だった」と振り返るように、狂気と紙一重の爆発力を持っていた点もオルフェーヴルが最強馬候補に挙げられる大きな要因です。