自己愛性人格障害の行く末|孤立と自滅へ向かう心理メカニズム

自己愛性人格障害の行く末|孤立と自滅へ向かう心理メカニズム

自己愛性人格障害の行く末|孤立と自滅へ向かう心理メカニズムの注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

長年ターゲットにされていた配偶者が家を出たり、搾取されていた部下が辞職届を叩きつけたりした瞬間、加害者の世界は一変します。これまで意のままに操れると思っていた「私有財産」が突如としてコントロールを失うためです。

この局面で彼らが見せる行動パターンは、心理学において「フーバリング(Hoovering:掃除機のように吸い寄せる行為)」と呼ばれます。あれほど罵倒していた相手に対して、突然以下のような言動を取り始めます。

  • 「お前がいないとダメなんだ」と涙を流して懇願する
  • 高級なプレゼントを贈ったり、急激に優しく接したりする(ラブ・ボミングの再燃)
  • 「お前が去るなら命を絶つ」といった自傷をほのめかす脅迫
  • 共通の知人や親族を巻き込み、「自分は反省しているのに相手が冷酷だ」と被害者を装う

しかし、ターゲットが毅然として連絡を絶ち、完全な拒絶(ノーコンタクト)を貫いたとき、彼らの態度は一転します。傷つけられた誇大自己を守るため、激しい感情の爆発である自己愛憤怒と人間関係の破綻が引き起こされます。

「あんな恩知らずは見たことがない」「すべての元凶はあいつにある」と、周囲に対して凄まじい誹謗中傷キャンペーンを展開します。かつての手記や被害者の告白録でも、「関係を断ち切られた加害者が、職場の同僚全員にあることないこと吹き込んで孤立させようとしたが、あまりの執拗さに周囲が異常性を察知し、かえって加害者自身が敬遠されて自滅していった」という証言が数多く記録されています。

ターゲットが離れた後の末路は、哀れなまでの虚勢と激昂の繰り返しです。代わりのターゲットがすぐに見つかれば一時的に落ち着くものの、加齢とともに新たな獲物を獲得する能力は落ちていくため、供給源の枯渇による精神的飢餓状態に苦しみ続けることになります。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。