ネット掲示板やSNSでは「時短勤務はずるい」「特権階級だ」という短絡的なバッシングが散見されますが、これらは現場の制度的リアリティを見誤った誤解に過ぎません。議論を整理するため、よくある3つの誤解を正します。
第一の誤解は、「時短社員は楽をして同等の待遇を得ている」という言説です。法的に定められた短時間勤務制度において、働いていない時間分の賃金が控除される「ノーワーク・ノーペイの原則」が厳格に適用されています。手当面を含めても彼女たちの処遇は大幅に低減しており、決して優遇されているわけではありません。
第二の誤解は、「不満を漏らす同僚は育児に理解がない冷酷な人間だ」という決めつけです。不満を口にするフルタイム社員の多くは、育児支援そのものを否定しているわけではありません。彼女たち・彼らが抗議しているのは、「業務量の増大という実害に対して、会社組織が無策であること」です。責任感の強い社員ほど、カバー業務によって健康や私生活を犠牲にしており、彼ら自身もまた組織の怠慢による被害者なのです。
第三の誤解は、「人を1人補充すればすべて解決する」という安直な人員論です。業務の切り分け(タスクのモジュール化)が行われておらず、業務が属人化したまま人員だけを追加しても、誰がどの責任を持つかが曖昧なままでは、引き継ぎコストが増大して現場の混乱は収まりません。