居酒屋の品書きに並ぶ「レモンサワー」と「レモンチューハイ」。同じ店で注文しても、実態は全く同一の飲み物であるケースが珍しくない。語源を探ると、チューハイは「焼酎ハイボール」の略称であり、昭和の下町酒場で焼酎を炭酸水で割ったスタイルに由来する。一方でサワーは、英語の「sour(酸っぱい・甘酸っぱい)」からきており、本来は蒸留酒に柑橘類などの酸味と甘みを加えたカクテル全般を指す言葉だ。
しかし、缶容器に詰められた市販商品においては、この言葉の扱いが少々複雑になる。メーカー側は、使用するアルコールの種類やブランドのイメージに合わせて呼称を選択しているからだ。居酒屋では甲類焼酎にプレーンソーダとシロップを合わせるのが定番だが、缶商品ではウォッカやスピリッツをベースにした商品が「サワー」として大ヒットする現象も起きている。つまり、提供形態とベースアルコールの組み合わせによって、定義の認識にズレが生じているのが真相だ。