一時期、X(旧Twitter)やTikTokなどのSNS上で「塗ると余計に唇が荒れる」「依存性があるのではないか」といったショッキングな投稿が拡散し、プチ炎上とも呼べる現象が起きた。検索窓に商品名を入力すると「炎上」「危険」といった不穏な関連ワードが浮上し、購入を躊躇した消費者も少なくない。
この噂の真相を探るべく専門家に取材を行ったところ、原因は製品の毒性ではなく「誤った使用法」と「皮膚のバリア機能に関する誤解」にあることが判明した。ワセリン自体は皮膚表面に油膜を張り、水分蒸発を防ぐ「保護剤」であり、水分そのものを補給する機能はない。すでに唇が極度に乾燥しきった状態でワセリンのみを塗り重ねた場合、内部の水分不足が改善されず、結果として「効かない」「荒れた」と感じてしまうケースが相次いだのだ。根拠のない危険説は、完全な誤解に基づくものと言える。