「新武蔵丘ゴルフコースは難しいのか、それともスコアが出やすいのか?」——予約サイトやSNSのコミュニティで頻繁に交わされるこの疑問の背景には、日米両ツアーで頂点を極めた岡本綾子氏による緻密なコース設計が存在します。
パー71、レギュラーティーからの総距離約6,000ヤード弱という数値だけを見ると、近年のビッグコースに慣れたゴルファーは「距離が短くてパーオンしやすい親切なコース」と油断しがちです。しかし、ティイングエリアに立った瞬間、その先入観は覆されます。左右に待ち受けるハザード、フェアウェイ中央を横切るクリーク、そして視覚的な錯覚を誘うマウンド群が、漫然としたドライバーショットを厳しく拒みます。
設計に際し岡本綾子氏が掲げた「全てのゴルファーに挑戦の意欲を湧き立たせる」という哲学は、単なる距離の長さではなく「攻め筋のルート分岐」として具現化されています。例えば、フェアウェイの広い安全ルートを選ぶと次打で深いバンカー越えのタフなショットを強いられ、リスクを冒してタイトなエリアを捉えれば短い番手でバーディーを狙える設計です。
さらにプレーヤーを苦しめるのが、アンジュレーションに富んだグリーンと、その周囲に巧みに掘り込まれたガードバンカーです。受けグリーンに見えて奥からの傾斜が極めて強いホールや、マウンドで2分割されたポテトチップス状のグリーンが多く、ピンと同じ面に乗せられなければ3パットが頻発します。「飛距離でねじ伏せるゴルフ」が通用せず、コースマネジメントとショートゲームの引き出しを問われる点こそ、新武蔵丘ゴルフコースの難易度が高いと評される真因です。