静止状態ですら心拍数は毎分数百回、飛翔時には1200回を超え、呼吸数は毎分250回以上に達する。人間の感覚からは想像もつかないハイパーエンジンだ。この猛烈な代謝を支えるため、彼らは起きている時間の大半を花の蜜を吸うことに費やす。1日に摂取する糖分の重量は、自重と同等かそれ以上に及ぶ。
興味深いのは、夜間の生き残り戦略だ。エネルギーが枯渇する夜間、彼らは「休眠(トルポア)」と呼ばれる極限の省エネ状態に入る。体温を環境温度近くまで下げ、心拍数を毎分数十回まで急減させる。この極端な代謝のオン・オフ切り替えシステムは、医療分野における人工休眠や細胞保護技術の研究者からも強い関心を集めている。