漫画雑誌の連載で見かける機会が減ったことから、「現在の消息が掴みにくい」と語られることも多い児嶋都ですが、その表現欲求は立体造形の世界でより強固に息づいています。人形制作の第一人者である四谷シモン氏のスクール「エコール・ド・シモン」での学びを経て、独自のエロティシズムと無機質な美しさを湛えた球体関節人形を次々と発表しています。
創作人形の世界において、彼女の作品は「生と死の境界線に佇む少女」を象徴する美術品として確固たる地位を築いています。東京・銀座や京橋のギャラリーで開催される企画展やグループ展では、展示即売されるカスタムドールや限定オブジェに国内外のコアなファンが殺到する状況が続いています。
近年は画集やアートブックの編纂、装画提供、さらには自らの過去作のデジタルアーカイブ化への助言など、マルチな美術表現者として活動。漫画制作で培われた「物語を宿す視覚表現」が、ドールの緻密な関節構造やガラス義眼の奥深い光彩に昇華されています。