日本のソフビ(ソフトビニール人形)の歴史は、玩具メーカーのブルマァクなどが手がけたゴジラやウルトラマンの怪獣人形にまで遡る。当時は子どもが手にして遊ぶ日常的な玩具だったが、半世紀の時を経てその価値観は一変した。独特のフォルムと鮮やかな塗装、どこか愛くるしい佇まいは、現代において「アートトイ」という新たな美術的評価を獲得している。
この潮流を決定づけたのが、個人や小規模チームが独自の世界観を展開するインディーズソフビの台頭だ。量産品にはないエッジの効いた造形や、作家の強いこだわりが反映された限定カラーリングは、海外の熱狂的なコレクターの心を掴んで離さない。かつての特撮ファン向けアイテムという枠組みを完全に脱し、コンテンポラリーアートやストリートカルチャーと同列の文脈で語られる時代が訪れている。