クリエイティビティの追求と、企業としての持続可能な経営。この二律背反に見える要素を絶妙なバランスで成り立たせているのが、皆川氏と共に歩む田中景子氏の存在だ。テキスタイルデザイナーとして現場に立ちながら、株式会社ミナの運営舵取りを担う彼女の視点は、ブランドの足腰をより強固なものにしている。
「クリエイションを守るためには、健全な組織と経営の基盤が不可欠です」と田中氏は語る。ファストファッションが席巻する市場において、在庫を過剰に抱えず、作ったものを大切に売り切る、あるいは修理をしながら長く着てもらうビジネスモデルは、業界の新たなロールモデルとして注目を集めている。
直営店のスタッフ教育から店舗空間の設計、さらには蚤の市やワークショップの開催に至るまで、顧客との接点は多岐にわたる。服を買うという体験そのものを一つの文化として育てる取り組みは、ものづくりの未来に向けた大きな示唆に満ちている。