モバイルバッテリー回収は基本的に無料回収である。これはJBRC制度に参加する製造・輸入事業者がリサイクル費用を負担しているためで、消費者は追加料金を支払う必要がない。だが、「無料ならどこでも出せる」と考えるのは早計だ。
第一に、回収ボックスで受け付けているのは「充電式電池」であって「リチウムイオン電池を内蔵した製品すべて」ではない。モバイルバッテリーは電池本体を露出・分離できることが多いが、最近の薄型バッテリー内蔵製品は分解を前提としておらず、本体ごと回収ボックスに入れられない場合が多い。内蔵型端末の処分は、家電リサイクル法の対象品目か、小型家電リサイクル法に基づく自治体回収・認定事業者ルートに乗せる必要がある。
第二に、回収ボックスに「入るから」といって規定サイズを超える電池を無理やり押し込むトラブルが報告されている。ポータブル電源や大型リチウムイオンバッテリーは小型充電式電池の回収対象外であり、JBRC非対応。これらは購入店や専門処理事業者への相談が必要だ。
第三に、「無料回収」のコストは結局、製品価格に転嫁されているという構造への理解も欠かせない。消費者は購入時にリサイクル料を間接的に負担しており、その仕組みが成立しているからこそ回収ボックスが無料で使える。この点を見落とすと、無料であることの価値を軽んじ、異物混入や乱暴な投入といったモラルハザードにつながる。