現在の八面六臂の活躍を見る読者にとって、彼が数年前に「いつ命を落としてもおかしくない危機」に直面していた事実は信じがたいかもしれません。事の発端は、2018年に放送された医療バラエティ番組『名医のTHE太鼓判!』の企画で行われた人間ドックでした。頭部MRI検査において、脳の血管に9.8mmに達する未破裂脳動脈瘤が偶然発見されたのです。
医学界において、動脈瘤の大きさが5mmを超えると破裂リスクが跳ね上がり、10mm前後は「巨大動脈瘤」に分類されます。ひとたび破裂すれば死亡率が50%を超え、生き残ったとしても重度麻痺などの重篤な後遺症が残る「くも膜下出血」を即座に引き起こす極めて危険な状態でした。担当医師から「いつ頭の中で爆弾が破裂しても不思議ではない」と告げられた当時の緊迫したスタジオの空気は、視聴者にも大きな衝撃を与えました。
その後、迅速に名医による精密検査とチーム医療が組まれ、開頭を行わない「カテーテルによるコイル塞栓術」と呼ばれる高度な血管内手術が無事に敢行されました。術後の経過は極めて良好で、早期の仕事復帰を果たしています。手記や後のインタビューの中で、本人は次のように述懐しています。
「自分一人だけの命ではない。番組スタッフ、名医の先生方、そして何より異変を見逃さずに受診を後押ししてくれた妻と娘がいなければ、今の僕はありません。毎日の平凡な朝がどれほど奇跡であるかを骨の髄まで知りました」
この九死に一生を得た経験を経て、過度な塩分制限や飲酒の見直し、定期的な脳ドック受診など徹底した体調コントロールを行うようになり、現在の躍動的なフィジカルの土台となっています。