ネット上には、スマートフォンの充電に関して過去のガラケー時代や初期スマートフォン時代の常識が混ざり合い、多くの誤解が氾濫しています。科学的根拠と最新の仕様に基づき、代表的な2つの俗説を正します。
【誤解1:高出力な100W充電器を使うとスマホが過充電で壊れる?】
これは完全な誤りです。USB Type-Cの給電規格である「USB PD」は、充電器と端末がケーブルを通じてデジタル通信を行い、端末側が「今、何ボルト・何アンペア受け取れるか」を常に指示する仕組みになっています。したがって、最大100W出力の充電器にiPhone(最大約27W受入)を接続しても、端末側が要求した約27Wしか流れません。充電器側のワット数が端末の要求値より大きくても、事故や破損に繋がることは物理的にあり得ません。
【誤解2:急速充電を常用すると1年でバッテリー寿命が半分になる?】
これも現代の設計においては過度な誇張です。AppleやSamsungをはじめとする主要メーカーは、バッテリー残量が0%から80%までは急速充電を行い、セルへの負担が高まる80%から100%の間は微弱なトリクル充電へ自動的に電力を落とす二段階の充電プロファイルを構築しています。通常使用の範囲内であれば、急速充電の利用有無による寿命の差は年単位で数%程度にとどまります。問題視すべきは充電スピードそのものではなく、前述した「高熱状態の放置」に他なりません。