赤ちゃんの吸着がうまくいかないときや、胸の張りを適度に抜きたいときに重宝するのが手搾りです。力任せにつまむと乳腺組織を痛めて炎症を引き起こすため、正しい母乳手搾りのやり方を身につける必要があります。
助産師が指導現場で必ず伝える基本手順は以下の通りです。
- 手の清潔とリラックス:石鹸で手を洗い、肩の力を抜いて温かい白湯を一口飲むなど、オキシトシンが出やすい環境を作ります。
- Cグリップを作る:乳頭から約2〜3cm離れた乳輪の縁に、親指と人差し指を「C」の形にして置きます。
- 胸壁に向かって垂直に圧迫:指を皮膚の上に滑らせるのではなく、胸の奥(肋骨方向)に向かって優しく押し込みます。
- 指の腹を中央に寄せて絞る:胸壁に押し込んだ状態のまま、親指と人差し指の腹を優しく合わせるようにリズミカルに圧迫します。
- 放射状に位置を変える:指の位置を時計の針のように(12時-6時、3時-9時など)変えながら、均等に乳腺から搾ります。
また、母乳分泌を増やす方法として最も確実な母乳の出し方のコツは、授乳の「頻度」を上げることです。1回の授乳で長時間吸わせるよりも、1日8〜12回程度、赤ちゃんの欲しがるタイミングでこまめに吸わせるほうが、脳下垂体への刺激頻度が増えて分泌リズムが整います。
手搾りが負担になる場合は搾乳機を活用するのも有効です。ただし、搾乳機の正しい使い方を守らなければ乳首を傷めるリスクがあります。必ず一番弱い吸引圧からスタートし、乳頭の直径に合ったフランジ(カップ)サイズを選択してください。1回の使用時間は片胸10〜15分、両胸合わせて20〜30分以内にとどめるのが原則です。