楽屋の鏡に向かう梅沢富美男の表情は、バラエティ番組で見せる柔和なものとはまるで異なる。ピンと緊張感が張り詰めた空間で、手際よく白粉が施されていく。彼が実践する化粧法には、長年の経験と研究から編み出された独自の工夫が凝らされている。
骨格を熟知した眉の描き方、目尻に一差し入れる紅の絶妙な角度、そして首筋から胸元へとかけられた柔らかなグラデーション。単に顔を白く塗るだけではない。光と影を巧みに計算し尽くした自作のメイクは、照明を浴びた瞬間に圧倒的な立体感を生み出す。「女よりも艶やか」と評されるその美しさは、緻密な計算と職人技とも言える美意識が生み出す芸術なのだ。