アパレル業界のMD(マーチャンダイザー)や古着ディーラーの証言を総合すると、ジョジョTシャツ即完売の理由には、一般的なキャラクターTシャツとは根本的に異なる3つの構造的要因が存在します。第1に、原作者である荒木飛呂彦氏の描くアートワークが、80年代から90年代のハイファッション(VersaceやMoschinoなど)の系譜を色濃く引いており、純粋なグラフィックTシャツとしての完成度が極めて高い点です。これにより、サブカルチャー愛好家のみならず、ストリート系やモード系を好む一般のファッションフリーク層までもが買い手として参入しています。
第2の要因は、ブランド側の生産コントロールです。特に高品質を掲げるブランドコラボでは、ボディの選定からシルクスクリーンの多色刷り、特殊なピグメントダイ(後染め)加工に至るまで職人的な工程が組まれるため、大量生産が構造的に不可能です。供給量が極端に絞られた市場にグローバルな需要が押し寄せるため、発売直後のソールドアウトが常態化します。
そして第3に、二次流通市場における投機マネーの流入が挙げられます。アパレル転売マーケットのデータ分析によると、特に名作デザインは発売から1年が経過した段階で定価の150%〜300%前後のプレ値で取引されるケースが散見されます。こうした相場観が定着した結果、一般のファンに加えて利ざや目的の転売業者がbot(自動購入プログラム)を投入して買い占めに走るという、負のスパイラルが形成されてきました。これが、ネット上で囁かれるジョジョTシャツプレミア化の真相の核心です。