順風満帆に見えた鬼そば藤谷を突然の悲劇が襲ったのは、2023年9月23日のことでした。渋谷センター街に位置する入居ビルの別フロアから火災が発生。現場検証や報道発表の通り、出火元は鬼そば藤谷ではなく他テナントによるものでしたが、激しい延焼と消火活動による大量の放水により、5階の店舗は内装・厨房機器ともに壊滅的な水浸し被害を受けました。
当時の手記や関係者への取材において、藤谷氏は「10年以上かけて作り上げた城が一瞬で奪われた」と当時の絶望的な心境を吐露しています。ビルの構造上の問題や復旧費用の膨大さから、長年親しまれた渋谷店舗の閉店理由は「継続営業が物理的に不可能な状態に追い込まれたこと」による苦渋の決断でした。
しかし、この絶体絶命の危機において、ラーメン界の仲間たちや全国のファンが立ち上がりました。クラウドファンディングを通じた再建プロジェクトには目標を大きく上回る支援が集まり、同業のラーメン店主たちも炊き出しやコラボイベントを企画して藤谷氏を激励。数々の温かい支援を原動力に、浅草の地での営業再開と移転先の確保へと結びついていきました。