水素運搬船を語る上で欠かせないのが、豪州の未利用褐炭から水素を製造し、日本へ輸送する「日豪水素サプライチェーン構築プロジェクト(HESC)」です。日豪両国政府の強力な支援のもと、岩谷産業、川崎重工業、電源開発(J-POWER)、ENEOSなどが参画し、液化水素の大量サプライチェーンの実用化に向けた実務検証を積み重ねてきました。
さらに、運航の主役となる日本の海運二大巨頭の動きも活発化しています。日本郵船(NYK)は川崎重工やENEOS等と共同で、実商用船の運航管理や受入技術の確立を推進。安全基準の策定にも深く関与しています。一方、商船三井(MOL)も国内外のエネルギー企業と提携し、液化水素のみならずアンモニア運搬船を含む次世代ゼロエミッション船の導入を加速させています。
このように、単独の造船メーカーによる技術開発にとどまらず、商社、エネルギー供給事業者、大手海運会社が一体となったコンソーシアム体制が構築されている点に、日本の強みがあります。